本に命を吹き込む仕事。それが、ブックデザイン・装丁です。『仕事で得する天気の雑学』では、デザイナーの坂田佐武郎さんが書籍のデザインのすべてを手がけてくださいました。今回は、なかなか知ることができないデザイナーからみた本づくりの過程やこだわり、この本への想いを皆さんにもお伝えしたいと思います。
Q. デザインの手順として、まず何をするんですか?
編集さんから、話を聞くことからはじまります。こういう本をつくりたいんです!という、本にかける情熱をとにかく聞きます。それからすぐにスケッチをするのではなくて、「この本見た読者さんの頭に、何が浮かんで欲しいか」を文章にしていきます。
▽その時の、坂田さんのメモを少しだけ公開!▽
(左上にあるシミは、スターバックスのコーヒーだそうです。笑)
この本は、どんな本なのか?キーワードは何か?なにが大切なのか?などの答えを、言葉にして書いていきます。
それが終わると次は、これを見たときに、どんな言葉が頭に浮かんで欲しいか?を考えていきます。ふわふわとしていたイメージを、ちゃんと言葉にしてまとめます。
これまでの「天気」という言葉が持っていたイメージを、この本でどんなイメージにつくり変えたいのかを考えていきます。「天気の話なのに、かっこいい!若い!ロマンティック!」……とか。僕が考えた、というよりも、編集の方と一緒に考えた、という感じです。
それから、「片平さんだからこそ」というところも考えました。片平さんの言うことだったら信じてくれる人がたくさんいると思ったんです。
内容が本物ですから。だからこそ、逆に表紙や挿絵には“遊び”をいれてもいいんじゃないかなとも思いました。
Q. デザインは何案くらい考えるんですか?
それぞれですが、片平さんの本の場合は、バリエーションも含めて30案以上考えました。その中から、編集の人と一緒に方向性とイメージを共有して決めていきます。「こういう方向性があるんですけど、どのイメージに近いですか?」もしくは「どれが違いますか?」という感じ。
ボツになった表紙、見せてもらっても良いですか?と聞くと、快く見せてくださいました。
ありがとうございます!(よく見ると、タイトルが今とは少し違いますね)
コチラが最終決定した表紙
ゼロからデザインをするって、やっぱりスゴイ!と感動!!もっと制作秘話を知りたくなってきたので、こんな提案をしてみました。
<新企画!>ボツ案を振り返ろうの会
いきなりの提案にも関わらず、ノってくださいました。坂田さん、本当にありがとうございます……
①タイトルドーン!すぎたのでボツ。
編集の方に「タイトルがとにかく目立つものを!」と言われてつくったものですが、思った通りボツでした。
②可愛いく仕上がりすぎたのでボツ。
可愛らしい雑貨のようなイメージ。ネズミ色の紙にテキスタイルのように天気のマークを並べました。可愛くなりすぎたのでボツ。
③ビジネス書すぎるのでボツ。
ビジネス書のコーナーに置かれるだろうなぁと考えて、「得する=お金」のイメージでつくりました。なんだか、天気の雑学がいやらしく見えたのでボツ。
④ゴージャスな教科書すぎたのでボツ。
イメージは、ゴージャスな教科書。枠は、夢の3前線(温暖前線・寒冷前線・停滞前線)でつくっています(笑)。天気マークも大きく配置したので、タイトルが目立たないなーと思いボツ。
そして残ったのが、この2案!
これが残って「やっぱりそうか」といった感じ。今回の片平さんの本は、持ってくる前からだいたい予想はついていました。
そういえば、上の空の表紙のものは自然消滅していました。今振り返っても、いつこのデザインが消えてしまったのかわからないくらい自然に(笑)。
いかがでしたか?
奥深い装丁のお仕事。今回は、表紙が決まるまでのお話をお伝えしました!次回は、できあがった本の意外なこだわりポイントや、挿絵のイメージ、片平さんとの制作裏話などを、細かくお伝えします。次回は11日の更新です。
『仕事で得する天気の雑学』発売中!
『仕事で得する天気の雑学』(気象解説者・片平 敦著)
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お問い合わせは、いろは出版(book@hello-iroha.com)まで
片平敦さんのプロフィールはコチラ
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