全12回でお届けする京都をゆるいテイストで紹介する連載「京都ぶらもりち」。
第3回目となる今回は5月3日に下鴨神社で行われた「流鏑馬神事(やぶさめしんじ)」をご紹介します。
ゴールデンウィークも残りわずかとなったこの日。
最高気温25℃を超えるほどの暑さの中、鴨川デルタではしゃぐ家族連れを横目にのんびりと鴨川デルタでランチ。
下鴨神社までは鴨川デルタから徒歩5分ほどの距離なので、流鏑馬神事が始まる午後2時近くまでのんびりと時間を過ごしました。
お腹も満たされたところで下鴨神社へ移動。
前回紹介した「上賀茂神社」と同様、下鴨神社も世界文化遺産。
本当に京都には色々なところに世界遺産が点在してますね。
ちなみに上賀茂神社と下鴨神社の関係性については、昔は賀茂氏(かもうじ)という氏神を祀る一つの神社だったようです。
名前から察するに上賀茂神社の方が先に建てられたのかな?と思っていたのですが、どうやら下鴨神社の方が歴史は古く、紀元前にはすでに建てられていたが詳細は不明とのこと。
さて、そんな歴史を感じる下鴨神社もこの日は人でごった返していました。
下鴨神社の南側には「糺ノ森(ただすのもり)」と呼ばれる鎮守の森があるのですが、こんなに混んでいるのは1年の中でもあまり見かけません。
流鏑馬神事の人気ぶりが伺えます。
あとからニュースで知ったのですが、この日 流鏑馬神事を見に集まった観光客は2万5千人だったようです。
下鴨神社 恐るべしッ!流鏑馬神事 恐るべしッ!
そんな人で溢れる中、少しでも良いスポットで見ようと前へ進んでいく。
流鏑馬神事には有料観覧席も設けられており、お値段はパンフレットと御白石持行事の参加券を合わせて2,500円。
午後1時半過ぎの段階ではまだ若干の空きが見られました。
とは言え、2万5千人ですから、良い席で座って見たい!という方は早めに行くことをお勧めします。
糺ノ森の参道には招運のお守りや当り矢が販売されてました。
ここでこの日にしか買えない限定アイテムなので、気になる方はチェックを!
ちらほらと出店も出ており軽食や飲み物なども糺ノ森の中で買うことができます。
流鏑馬神事(やぶさめしんじ)は、糺ノ森につくられた約400メートルの馬場を、馬に乗った射手が3つの的をめがけて矢を放つ葵祭の前儀です。
糺ノ森の南側から北に向かっていくコースなのですが、馬も後半に向かってスピードが上がってくるため、「三の的」が一番迫力があります。
私も見所の「三の的」あたりで見ようと陣取りましたが、この人の多さ!
早い人だと午前10時ごろから並んで場所を確保しているみたいなので、当然午後1時には混雑してしまいます。
背が低い方は、小さめの台などを持参してそれに乗りながらスタンバイしていました。
(プロのカメラマンはみんな脚立に乗りながらスタンバイ)
私も背が高い方ではないので、次に行くときは台を持って行こう心に決めました。
午後2時開式の予定だったのですが、ややスタートが遅れていましたが、午後2時半前にはようやく射手(いて)が入場!
みんなおもむろにカメラやスマホを向けて撮影が始まりました。
ちなみに待ち時間のときにアナウンスが流れるのですが、馬たちはカメラのフラッシュがとても苦手なので、絶対にフラッシュは切りましょうね。
次々と公家や武家の装束をまとった射手たちが入場していきます。
弓矢を装着。
か、かっこいいっ!
的もスタンバイされてあとはスタートを待つのみ。
流鏑馬神事は、1巡(1衣装)を4・5人が行い、それが4回、計15・16人が行うようです。
テンポよく行うため、新しい的の入れ替え準備も完璧。
そうこうしているうちに、アナウンスが始まりました。
トップバッターの射手は、なんとオーストラリアの方とのこと!
馬と射手の呼吸が整えば、合図もなくスタートします。
私の位置からは見えないのですが、アナウンスで「入りました!」と聞こえ、ようやくスタート!
数秒で「1の的 的中ッ!」と実況が聞こえ、ドドドッと馬の足音が聞こえてきた。
カーンッ!とカン高い音が聞こえ「2の的 的中ッ!」のアナウンス。
おおぉお!と湧く観衆。
するとようやく見えてきた!
ドドドッ!
ドドドドッ!!
ドドドドドッ!!
ぱしゅっ!
カーンッ!!!
おおぉおおおおぉぉっ!!!
「3の的 的中ッッ!!」
パチパチパチパチ(拍手)
あっという間でしたが、徐々に盛り上がっていく雰囲気と観衆の一体感が何とも興奮しました!
流鏑馬を見るまでは正直なところ、楽しめるのかな?という思いもあったのですが、実際に見てみるとすごい迫力とスピード感。
人馬一体となって駆け抜ける姿にすっかり魅了されてしまいました。
なるほど、これは実際に見てみないと感じれない楽しさだなぁと。
そりゃ2万5000人も来るわ。
そのあとも2・3分後には2番手の射手がスタートして同様に盛り上がりました。
最初のオーストラリアの射手さんは3つとも的中していたので、みんな全て的に当たるのかと思っていたらそうでもないようで、カーンッ!聞こえないこともしばしばありました。
馬に乗りながら矢を放って的に当てる。
ただこれだけの中にすごい技術があるのだなぁと感心しました。
女性の射手も見事に的中。
夢中でみているとあっという間に1巡目が終わり、観客たちもぞろぞろと帰り始めました。
2巡目の射手たちが入場してくる頃には、2/3ほどに観客も減り、少し前の方で見れるようになりました。
もし混んでいるのが苦手という方がいらっしゃれば、2巡目以降が狙い目です。
その後も的に当たるたびに盛り上がり、最後まで飽きることなく楽しめました。
でもまだ戦いは終わっていませんよ。
実は、射手が見事 射抜いた的は「当的」という縁起物として購入できるのです。
当的の数は的中率や的の割れ方によって変わり、限りがありますので、急いで列に並ぶ。
的には巫女さんが日付と「鴨社流鏑馬神事 当的」と書いてくれます。
お値段3,000円(税なし)。結構安いと感じるのは私だけでしょうか?
2万5千人もいる中で、せいぜい100個程度しかない当的。
しかも令和元年という記念すべき年なのでこれは手にしたい。
みんな興味津々にのぞき込む。
列に並ばずに購入していた方も数名いらっしゃったのでマナーは気をつけたいところですね。
あとになればなるほど、こま切れのような小さいものしか残っていないので、選んで買いたいという方はお早めに!
「ご利益は大きくても小さくても同じです。」
by 下鴨神社の人
無事、当的を購入し、本殿に向かうと射手たちが記念撮影していました。
一同に会すると見応えがありますね。
最後に令和元年が良い年になりますように、本殿にお参り。
以上、下鴨神社の「流鏑馬神事」レポートでした!
それでは、次回の更新もお楽しみに。
もりち